蓮生山熊谷寺

「樹敬寺」

1470 views
約2分

 樹敬寺は、1195年、俊乗坊重源上人によって開かれた浄土宗の寺院で、三重県松阪市新町にあります。
 重源上人は、治承4年(1180)法然上人の推挙により、東大寺の大仏殿復興大勧進の職を拝命され、伊勢神宮の日輪御名号の縁にならい、 神宮に37日間祈願し、方寸の玉を授けられ大勧進巡錫をされて、大仏殿落慶供養された方です。重源上人は、 この功徳をもって国中に七ヶ所の念仏同所を建立され、樹敬寺はその中の一つであります。
 現在の本堂は、明治35年に再建されたものですが、境内には、本居宣長・春庭(長男)・壱岐(妻)のお墓があり、 国指定史跡となっています。

 本居宣長という方は、医師であると同時に、18世紀最大の日本古典研究家と言われております。 代表著書には、『古事記伝』などがあります。
 ここ樹敬寺は本居宣長家の菩提寺でありまして、祖先や子孫合わせて26基のお墓があります。記録によりますと、 本居宣長は仏教に対して批判的な説を唱えておりましたが、その半面に自分の家の仏事は欠かすことなくお勤めされていたとのことです。 参考までに申し上げますが、本居宣長の父親は夢の中で仏に出合った喜びを絵に描かせており、母は善光寺で得度しております。 また実の兄は増上寺真乗院主を勤めた高僧です。
自分自身も19歳のときに、この樹敬寺で五重相伝を受けております。

FacebookでシェアTwitterでシェアPinterestでシェア